今のあなたの状態は? -2
前回は、
私たちの心の状態を
色に見立て、
赤・青
をご紹介いたしました。
今回は、
新たな色に登場してもらいます。
その色は、
緑
森林や山々や草木や
私たち人間が、
癒しや安らぎを感じる
緑
です。
外部からの刺激に反応し、
私たちの脳内の扁桃体が、
闘争か逃走反応を示します。
ストレスフルな状態が続くと、
交感神経が過度に機能し、
赤の状態が続き、
ファイティングポーズを取り続ける
過緊張の状態が続き、
いわゆる 赤
の状態が維持されます。
その 赤
の状態に、長く私たちは耐えられないないし、
脳や身体や心が悲鳴を上げますので、
強制的に
青
の状態を創り出す。
副交感神経の登場です。
即ち、
シャットダウン。
自身を護るために
外部からの刺激への反応を
鈍化させます。
適度にバランス良く
青の状態を働かせると
赤と青の適切な均衡が
取れるのですが、
過度な赤状態に対応すべく、
過度な青状態を創り出すと、
無関心、無感動、思考の停止等の
いわゆる 抑うつ
の状態となる。
これが、深青
の状態。
そして、
その深青の状態が長く続くと、
今度私たちは、
この深青の状態(逃走反応)に
どうにか対処しようと、
又、
赤の信号を強制的に送り、
基に戻そうとする。
でも、
多くは、
なかなか上手くいかず、
その失敗体験が、
更なる無気力や無力感をもたらし、
完全に機能停止の状態に陥ったりもする。
赤→青→深青
→漆黒(絶望感)
こうなると、
なかなか基に戻るまでの
プロセスが長くなり、
時間がかかる。
そこで、
そのサイクルに陥らないように、
そのサイクルの循環に陥らないように、
早めに、
予防してあげる。
それが、
緑
の役目。
先ずは、
赤(濃い赤や真っ赤)
の状態の自分に気づく。
この気づきがなかなか難しい。
だから、
色というイメージに頼り
気づきやすくする。
ザワザワした胸のうち、
ドキドキした胸のうち、
ドヨドヨした胸のうち、
これらを 赤 としてみましょう。
それらを感じたら、
緑
のイメージを入れてみる。
呼吸を深くを意識をし、
ご近所の公園にでも出かけ、
緑のイメージを取り入れる。
お休みの際に、
軽いハイキングにでも行き、
森林の中で呼吸に意識を集中し、
森林の中で安らぎを感じながら、
草木の優しい息吹を取り入れる。
その感覚を
緑
のイメージとして、
自身のコーピング(対処法)ツールとして
心の中に携える。
即ち、
赤(濃い赤、真っ赤)
のイメージが心を占めた際に、
即座に
緑
のイメージを喚起させ、
赤→青
ではなく、
赤→緑→青
のサイクルを創り出す。
都度、その習慣をつけること。
過鎮静の
深青
の状態も同じく、
いきなり
赤イメージではなく、
先ずは、緑を持ってくる。
青(深青)→緑→赤
何れも、
緑
を中間に介在させるのがコツとなります。
急発進、急停止
だけではなく、
アイドリングが
緑
とも言えますね。
私たちは、
日々に追われ、世情に急かされ、
赤、青の極端な心の在り方を
学んでしまっているように思えます。
ご紹介した
緑
も、
緑ではなく、
青
と捉えている節もあり、
リラックス=制止
のような感じ方をしています。
しかし、
緑
は、
草木の息吹のように
静かな息吹として生きた存在です。
決して、制止した存在ではありません。
私たちの精神活動も同じで、
どの状態でも、
動いていて、完全制止はありません。
でも、
例えば、辛い時、悲しい時、
それらに苛まれた際に、
私たちは、制止を切望したりします。
だって、苦しいから。
その心情から逃れたいから。
故に、
極端に振ってしまい
悲しいニュースが後を立たなくなる。
完全制止は
精神活動を止めること。
それは、即ち、
生命活動を止めることとイコールとなります。
だから、
赤 という 活動性
青 という 沈静化
緑 という 均衡性
これらを上手くバランス良く
自身の心に
仕組みとして持つこと。
これらをお勧めしたいと思います。
ポリヴェーガル理論
(多重迷走神経理論)
というものがあります。
今までは、
交感神経と副交感神経の二つしか
ないとされていました。
でも、
その理論では、
副交感神経は二つある。
背側迷走神経複合体
腹側迷走神経複合体
これらを色にすると、
交感神経が 赤
背側迷走神経複合体が 青
腹側迷走神経複合体が 緑
そんなイメージともなります。
先ずは、
ご自身の心の状態を
色にして、
イメージする。
幾冊もポリヴェーガル理論の本、
特に臨床心理士さんの本を読み、
具体的な方法を自らも実践し、
その効果も体感した上で、
当ココロテラスでのカウンセリングや、
非常勤で行っている心療内科・精神科での
クライエントさんに、カウンセリング後の
心理教育として試して頂いてもいます。
勿論、上手くイメージが出来る方もいれば、
なかなか難しい方もいらっしゃいます。
でも、
かなり気持ちが楽になったというお声も
多く伺いますし、弊害もないように感じます。
ストレスに対応する方法として、
問題焦点型
と
情動焦点型
がありますが、
どちらかと言うと、
情動焦点型であり、
自らの心のバランスを
より良く保つ為の理論(仕組み)
と思います。
ご興味がある方は、
良書がかなりありますので、
ご覧になって、試してみてください。
皆さんの心の安定を願っています。
ココロテラス
津村健司